日本呼吸器外科学会雑誌
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鈍的外傷による気管食道瘻の1手術治験例
柳川 昌弘坪田 紀明吉村 雅裕室谷 陽裕松岡 英仁
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1993 年 7 巻 5 号 p. 580-585

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抄録
症例は17歳, 男性で, オートバイの転倒事故にて近医に救急入院した.受傷3日後より嚥下時の咳1軟が出現し, 食道透視にて気管食道瘻が確認され, 応急処置を受けて受傷後63日目に根治手術のため当センターに転院した.右後側方切開第4肋間にて開胸すると, 瘻孔は気管分岐部直上付近 (左主気管支根部から頭側にかけて) に存在し, 離断後の大きさは35mm×8mmであった.気管側は4-0 PDSによる1層結節縫合, 食道は3-0 vicrylによる2層結節縫合で修復した.また, 再疎通を予防するために予め作製しておいた有茎第4肋間筋を気管, 食道の両縫合部の間に介在させた.術後経過は良好で, 術後32日目に退院した.
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