日本臨床外科学会雑誌
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平滑筋肉腫と鑑別を要したガーゼオーマの1例
佐々木 剛志道家 充中村 文隆金古 裕之押切 太郎矢野 智之宮崎 恭介成田 吉明樫村 暢一松波 己加藤 紘之
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キーワード: 腹腔内異物
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2001 年 62 巻 4 号 p. 1082-1085

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抄録

症例は46歳,女性. 2度の帝王切開(25歳, 31歳)の既往がある. 1998年検診にて腹部腫瘤を指摘され,精査加療のため当院入院となった.造影CTでは境界明瞭で厚い被膜を持ち被膜に接した一部に造影剤の染まりを持っており, USではheterogenousであった.血管造影では複数の血管の選択的造影により腫瘤の一部が濃染したが,栄養血管を特定することはできなかった.以上より大網または小腸原発の平滑筋肉腫と診断し開腹した.腫瘤と小腸と大網の剥離は困難で,一塊として切除した.切除標本の割面は厚い被膜に被われ内容は壊死物質であった.肉眼上線維構造を認めガーゼオーマと診断した.慢性期のガーゼオーマは炎症所見に乏しく, X線非透過物質を持たない場合術前に診断するのは困難であり,詳細な病歴の聴取が重要と思われた.

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