低湿度環境, 高齢者社会が進んでいる現今, 皮膚保湿能を正常に保つために, 正しいスキンケアを行うことは皮膚の健康を守る大切な手段になってきた。皮膚の乾燥を防ぎ, その老化を遅らせることは化粧品皮膚科学の最大の課題の一つであり, 古くから研究されてきたが, 最近, 低湿度環境でも角層の水分を維持しうる真の皮膚保湿剤としてムコ多糖類が市場に出現した。
皮膚の保湿機能は複雑な因子がからみあい, いまだに不明の点が多いが, 皮この特集は化粧品皮膚科学として正常な皮膚を対象とし, 内的原因により変性した角層をもつ疾患は除外し, 年令, 性, 環境などの要因とスキンケアの誤りによって生じた乾燥性皮膚を対象とした。
従来の化粧品保湿剤と低湿度環境でも保湿能を有する真の皮膚保湿剤とに分け, ヒアルロン酸, 水溶性コラーゲン, レシチンおよびペプチッドなどを後者の代表とした。