電子写真学会誌
Online ISSN : 1880-5108
Print ISSN : 0387-916X
ISSN-L : 0387-916X
アモルファス・シリコン感光体の作製.(2)成膜速度
高橋 智中西 達雄丸川 雄一Toshinori YAMAZAKI森口 博行
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 28 巻 4 号 p. 392-401

詳細
抄録
シラン(SiH4)-アルゴン(Ar)ガスのグロー放電分解において、SiH4分解効率(ηSiH4)や活性種とSiH4分子との二次的反応を制御しつつプラズマ中の活性種の密度を増加することによって、電子写真特性の低下を引き起こすこと無く、3~17 μm/hrの成膜速度(RD)でアモルファ・シリコン(a-Si)感光体を作制できた。シラン分解効率(ηSiH4)は質量分析で測定し、ηSiH4と高周波電力(Rf)、ガス圧力(P)、Rf電極とAl基体との距離(l)、グロー放電空間(V)中のSiH4-Arガスの平均滞留時間(τr)などの成膜パラメータとの関係式を実験的に導き出した。さらに、プラズマ中のSiH4の解離反応で生成した活性種の拡散過程を考察し、成膜速度(RD)をηSiH4、SiH4量(FSiH4)、Ar流量(FAr)、r/l比(ここでrは円筒状基体の半径)などの成膜パラメータから算出する半経験式を導き出した。そして、一例として、Rf= 1.15 × FSiH41.00Pl= 2.0Torr.cmの条件式下でηSiH4=0.63となるようにプラズマ制御した場合、少なくとも3≦RD≦17 μm/hrの範囲の成膜速度に適用できた。その半経験式とは、
RD=0.51·ηSiH4FSiH4√[(1+2r/l)/{FRr+(1+0.83ηSiH4)FSiH4}]である。
引用文献 (38)
著者関連情報
被引用文献 (1)
© 1989 一般社団法人 日本画像学会
前の記事 次の記事
feedback
Top