頭頸部腫瘍
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頭頸部腫瘍に対するサイバーナイフ治療の初期経験
姫井 健吾勝井 邦彰吉田 敦史武本 充広小林 満黒田 昌宏佐藤 健吾馬場 義美平木 祥夫
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2002 年 28 巻 1 号 p. 186-191

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抄録

サイバーナイフはロボットとLINACを組み合わせた定位放射線治療装置であり, 頭頸部腫瘍に対して治療を行うことができる。2000年6月から2001年1月までに治療した頭頸部腫瘍18例を対象に検討した。年齢は中央値64歳であった。症例は再発例, 手術困難例および外部照射後の追加照射例であった。原発部位は頭蓋底腫瘍4例, 上咽頭癌3例, 副鼻腔癌2例, 鼻腔腫瘍2例, 涙腺腫瘍1例, 中咽頭癌1例, 口腔底腫瘍1例, 頬粘膜癌1例, 頸部リンパ節転移3例であった。治療線量は辺縁線量で12-38Gyであった。奏功率 (CR+PR) は44.4%, 局所コンロトール率 (CR+PR+NC) は77.8%であった。有害反応はNCI-CTC Version 2.0で評価し grade 3を2例で認めた。進行, 再発例で通常の外部照射が困難な頭頸部腫瘍に対し限局した照射は有害反応を軽減することができ, またQOLを保つ治療として有用であると考えられた。

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© 日本頭頸部癌学会
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