Journal of Pesticide Science
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新フルオロインドールオーキシン, 5,6-ジフルオロインドール-3-酢酸の合成と生物活性
片山 正人加藤 康仁秦野 利基羽鳥 真丸茂 晋吾
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1998 年 23 巻 3 号 p. 289-295

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抄録

新フルオロインドールオーキシン, 5,6-ジフルオロインドール-3-酢酸 (5,6-F2-IAA, 1) を Fischer のインドール化法によって合成した. 本化合物はアベナ子葉鞘切片に対してインドール-3-酢酸 (IAA) より, より強い伸長活性を示した. アベナ子葉鞘伸長に対する5,6-F2-IAAの至適濃度は5,6-Cl2-IAAのそれより, より高かったが, 5,6-F2-IAAの伸長の度合いは5,6-Cl2-IAAより, より大きかった. また, 5,6-F2-IAAはマング・ビーン幼植物に側根形成を誘導し, さらにその側根の成長をも促進した. 白菜の下胚軸の成長に対しても合成したモノおよびジフルオロ-IAA類のうち5,6-F2-IAAが最も強い阻害活性を示した. 5,6-F2-IAAのペルオキシダーゼ酸化に対する抵抗性は中程度であった.

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© 日本農薬学会
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