Journal of Pesticide Science
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イミプロスリン異性体のラットにおける代謝
生体内変換
斎藤 幸一金子 秀雄冨ヶ原 祥隆中塚 巌山田 宏彦
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1995 年 20 巻 4 号 p. 529-540

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抄録

新規ピレスロイド系殺虫剤イミプロスリン [2, 5-dioxo-3-(2-propynyl)-1-imidazolidinyl] methyl (1R)-cis, trans-chrysanthemate の trans および cis 体のアルコール側14C標識体を雌雄ラットに1および200mg/kgの割合で一回経口投与した. その結果, すべての投与群で14Cは, 速やかに, 投与後7日目までにほぼ完全に尿, 糞および呼気中に排泄され, 組織残留量も全般的に低値を示した. 14C排泄率および14C組織残留に顕著な性差は認められなかった. cis体のアルコール側14C標識体を用いて尿中から単離, 構造決定した代謝物を用いて同定された排泄物中の代謝物より, 代謝反応として1) エステル結合の開裂, 2) イミドメチレン結合の開裂, 3) イミダゾリジン環の水酸化, 4) 2-プロピニル基の脱離, 5) 酸側イソブテニルのメチル基の酸化を認めた. イミプロスリンの両異性体の代謝物に顕著な性差は認められなかった.

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© 日本農薬学会
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