紙パ技協誌
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総説・資料
kajaaniWEM 及び kajaaniRM 3
―製紙工程の最先端ソリューション―
ユッカ ノケライネン佐藤 武志
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2008 年 62 巻 2 号 p. 173-179

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抄録

ウェットエンド管理用の最新のモジュラー式の多機能分析器kajaaniWEMと濃度センサーkajaaniRM3について紹介する。kajaaniRM3は,1つのサンプルポイントから連続的な全濃度及び真の灰分濃度測定を実施するスタンドアローン装置である。kajaaniWEMは,抄紙機に対して,世界で初めての総合的なウェットエンドの測定手段(電荷,レドックス,pH,伝導度,温度,濃度)を提供するものであり,1台で最大6箇所のサンプル測定が可能である。その活用とは,最初にRM3を使用して,ウェットエンドにおける全濃度及び灰分濃度を安定させ,これにより,リテンション制御,ウェットエンドの安定化を実現する。次に,パルプ工程,調成工程及びウェットエンドの全ての重要なパルプフローにおいて,WEMを使用して,カチオン要求量とその他の基本的化学反応を測定,制御するものである。
本稿では,製紙工場における電荷,濃度,濁度及びレドックスのオンライン測定結果,更に濃度制御,電荷制御及び濁度制御の経験について報告する。また,これらの濃度制御,電荷制御をさらに押し進めた多変数制御について,その原理,SC紙用抄紙機における改善レベルの経験について報告し,最後にそれらのソリューションから得られる情報,プロセスの安定性,抄紙機の運転性,使用薬品,人的資源に関する利益についてまとめる。

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© 2008 紙パルプ技術協会
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