Journal of Pesticide Science
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S-(4-Methylsulfonyloxyphenyl) N-methylthiocarbamate (Methasulfocarb) のイネ苗立枯病防除効果
大森 薫渡辺 豊中川 泰三
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1985 年 10 巻 1 号 p. 119-124

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抄録

新規土壌殺菌剤, S-(4-メチルスルホニルオキシフェニル) N-メチルチオカルバマート (メタスルホカルブ, カヤベスト®, NK-191) の各種病原菌に起因するイネ苗立枯病に対する防除効果を通常育苗箱の1/10のプラスチック容器を用い検討した. メタスルホカルブ10%粉剤をイネ箱育苗用の床土および覆土に使用する用土500ml当り原体換算で60~100mg播種前1回混和処理することにより, 稚苗育苗条件でイネ苗立枯病の主要な病原菌である R. chinensis, F. roseum, P. graminicolum, T. viride の4菌を人工接種して発病させたイネ苗立枯病をすべてよく防除し, さらに C. rolfsii を人工接種して発病させたイネ苗立枯病もよく防除した. またメタスルホカルブ10%粉剤を用土500ml当り原体換算で100mg播種前1回混和処理することにより, 育苗期間の長い中苗育苗の場合でも R. chinensis, F. roseum を人工接種して発病させたイネ苗立枯病をよく防除した. 以上のことから新規土壌殺菌剤メタスルホカルブは播種前1回の用土混和処理により広範囲の病原菌に起因するイネ苗立枯病をよく防除し, さらに育苗期間の長い中苗育苗においてもイネ苗立枯病を防除しうることが示唆される.

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