1987 年 12 巻 1 号 p. 109-112
強力なIGR活性を有する propionaldoxime O-2-(4-phenoxyphenoxy) ethyl ether と ethyl N-(4-phenoxyphenoxy) ethylcarbamate (Ro 13-5223) に関し, MNDO法に基づく安定コンホメーションにおける立体形状比較を行なった. 前者ではオキシムエーテル部のN-O結合での回転が著しく阻害されており, この結合に関しては, 事実上一つのコンホーマーのみが許され, これが活性コンホメーションと推察されること, さらに, 後者では, カーバメート部のN-C結合に関して二つの局所安定コンホメーションが存在することが判明した. 前者における安定コンホメーションでのN-O結合に基づくねじれ角が, 後者における二つの局所安定コンホメーション中, より安定なコンホメーションでのN-C結合に基づくねじれ角ときわめてよく一致することから, Ro 13-5223に関しては, このものが活性コンホメーションに対応していると推測された.