1987 年 12 巻 4 号 p. 705-709
クロロメタンスルホンアミドの虫体浸漬法による殺ダニカはクロルベンジレートに比べ約30倍弱く,一方局所施用法による殺ダニカはクロルベンジレートより約3倍強かった. 蒸散作用による殺ダニ活性はわずかに認められた. 薬剤を塗布した葉面上にパラフィルムを貼りこの上に雌成虫を接種した場合, 葉面にパラフィルムを貼りこの上に薬剤を塗布し雌成虫を接種した場合および葉面塗布し, 直接雌成虫を接種した場合でのそれぞれのLD50値は6.10, 4.26および5.58 (μg/cm2) であり有意な差はなかった. パラフィルムの裏面に薬剤を塗り表面に雌成虫を接種した場合には殺ダニカを示さなかった. これらの結果よりクロロメタンスルホンアミドはミカンハダニにおいては経口的に毒作用を示すものと推定された.