1988 年 13 巻 1 号 p. 117-124
クロロメタンスルホンアミドのミカンハダニ, ニセナミハダニおよびスギノハダニに対する防除効果を, それぞれスプリンクラー散布, 種子粉衣および主幹注入法によって検討した. スプリンクラー散布によるミカンハダニの防除効果は, 葉面に付着した薬液の浸透殺ダニ力と土壌表面に落下した薬液が根部から吸収されて発揮する殺ダニ力があわさるので, 慣行散布より高かった. 棉種子の粉衣処理では, 種子当り有効成分2%の濃度でニセナミハダニに高い防除効果を示し, 播種方法が条播より点播においてその効果が高かった. スギに寄生するスギノハダニに対する防除効果は主幹注入により樹当り (樹高4.5m) 有効成分4gの注入で高かったが, その薬効は樹齢により薬量の調整を必要とすると考えられた.