Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
殺虫効力と魚毒性に及ぼすフェンバレレートマイクロカプセルの製剤要因
大坪 敏朗竹田 久己津田 重典籠島 通夫辻 孝三
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 14 巻 2 号 p. 235-239

詳細
抄録
ポリウレアを膜物質に用いたフェンバレレートマイクロカプセルを調製し, その製剤要因 (粒径, 膜厚) とコナガ, ハスモンヨトウに対する殺虫効力およびヒメダカに対する魚毒性について検討した. ハスモンヨトウおよびゴナガに対する殺虫効力はカプセル強度を表わすパラメーターである体積平均径 (D) と膜厚 (T) の比, すなわちD/T比と関連し, この値が大きいほど向上した. 一方, ヒメダカに対する魚毒性はDTの積, すなわちDT値が大きくなるほど軽減された. この値はマイクロカプセルからの有効成分の溶出に関連するパラメーターであり, 値が大きいほど溶出が抑制され, その結果魚毒性を軽減できたものと考えられた. 優れた効力を有し, しかも魚毒性の軽減されたマイクロカプセルを調製するためには, この二つのパラメーターに注目し, 粒径, 膜厚を最適化することが必要であると結論づけられた.
引用文献 (13)
著者関連情報
被引用文献 (9)
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top