1998 年 23 巻 1 号 p. 34-39
ムギコナダニとオソアシブトコナダニの性フェロモンとして, 2-ヒドロキシ-6-メチルベンズアルデヒドが判っている。フェロモンと市販試薬9種及び合成した17類縁化合物の合計27種の類縁体を用意し, 両種の雄でそれぞれ生物試験した。ムギコナダニには4化合物が交尾活性を示し, うち2化合物が天然物と同程度の活性を示した。一方オソアシブトコナダニに対しては6化合物が交尾活性を示したが, 活性は最大でも天然フェロモンの1/10であった。結果として, フェロモン以外には両種に共通して活性を示す化合物はなく, 種それぞれ特有の化合物群に活性を示すことが判った。