抄録
一連の1-(置換フェノキシアルキル) イミダゾール類を合成し, カイコ幼虫における早熟変態誘起活性と天蚕の前幼虫態休眠覚醒活性を検討した. 1-[7-(4-エチルフェノキシ)ヘプチル] イミダゾール (6) と4-メチルフェノキシ体が最も高い早熟変態誘起活性を示した. メソプレンあるいはテブフェノチドはどちらも, 化合物6によって誘導される早熟変態を単体では完全に打ち消すことができず, 打ち消すために両ホルモンアゴニストが必要であった. 一方, 種々の1-(置換フェノキシアルキル) イミダゾールの1μg処理で, 天蚕の前幼虫態休眠を90%以上の割合で覚醒し, そのなかでも1-[5-(4-エチルフェノキシ) ペンチル] イミダゾールが最も高い効果を示した. 1-置換イミダゾールのカイコにおける早熟変態誘起活性と天蚕の休眠覚醒活性には相関は認められなかった.