2000 年 25 巻 2 号 p. 123-127
一定のラグタイムの後, 有効成分が溶出し始める時間制御型溶出性粒剤 (TCRG) を開発した. この論文において, TCRGは, モデル薬物であるメトミノストロビンおよび水によって膨潤する膨潤剤 (アクリル酸デンプン) を配合した原粒剤に二層の疎水性高分子 (エチルセルロース, 塩化ビニリデン) を被覆して調製した. TCRGのラグタイムおよび溶出開始後の溶出速度は, 塩化ビニリデンの被覆量とアクリル酸デンプンの配合量によって, 任意に制御することが可能であった. TCRGからのメトミノストロビンの溶出機構は, 粒剤中に浸透した水が膨潤剤を膨潤させ, その膨潤力によって膜が破裂し, メトミノストロビンが溶出し始めると考えられた.