2000 年 25 巻 2 号 p. 128-132
モデル薬物であるメトミノストロビン, 膨潤剤およびタルクを含む粒剤に疎水性高分子を被覆した時間制御型溶出性粒剤 (TCRG) の賦形剤であるタルクの溶出挙動におよぼす影響を調べた. TCRGからのメトミノストロビンの溶出のラグタイムは, 粒剤中の賦形剤であるタルクの量を増加するに応じて長くなった. この理由は, 1) 疎水性高分子皮膜の薄い箇所がなくなったこと, 2) 膨潤剤を含有する粒剤中の粉成分の浸透濡れが小さくなったことにより, TCRG中の水の取り込み速度が低下し, 皮膜の崩壊時間すなわちラグタイムが長くなったと考えられた.