Journal of Pesticide Science
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自活性土壌線虫 Caenorhabditis elegans 体内におけるエラジタンニン毒性
森 智昭Ahmed S. A. MOHAMED佐藤 正資山崎 徹
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2000 年 25 巻 4 号 p. 405-409

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抄録

ミズキ科サンシュユの新鮮葉から精製エラジタンニン標品を得た. 線虫 Caenorhabditis elegans を同調培養した. 未成熟成虫と抱卵成虫をこのタンニン (10ppm濃度) に5日間暴露しても運動能に若干の低下が認められたものの, 未成熟成虫は死亡せず, 抱卵成虫の死亡率も7%に過ぎなかった. しかし, 未成熟成虫の性的成熟および抱卵成虫の繁殖能は阻害された. L1幼虫の運動能も低下しなかったが, その成長は阻害された. 同濃度下でさらに暴露試験を続けると, 抱卵成虫と未成熟成虫の死亡率は急激に高まり, 10日目で未成熟成虫の死亡率は56%, 抱卵成虫で78%に達した. しかし, L1幼虫は死亡しなかった. 1ppm濃度下でL1幼虫の成長が若干阻害された. 1000ppm濃度下でなお生存していた抱卵成虫の内臓は溶解・消失していた. しかし, 体内での卵割は認められた.

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