2002 年 27 巻 4 号 p. 353-359
新規な2-フェニルベンゾオキサゾールおよびチアゾール誘導体を合成し, それらのナミハダニに対する殺ダニ活性を調べた. ベンゾアゾール環上の置換基の有無や, オキサゾールおよびチアゾールの違いが活性に及ぼす効果に関しては一定の規則性が認められなかったが, 2-位フェニル基に多くのフッ素原子が導入された化合物は顕著な殺卵活性 (LC50: <50ppm) を有し, また比較的強い殺成虫活性 (LC50: 150~200ppm) も示すことが判明した. 中でも2-(3-クロロ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-5-メチルベンゾオキサゾールは殺ダニ剤としての実用化が期待され, その乳剤を処方し評価を行なったところ, 普通系統に加えケルセン抵抗性系統のナミハダニに対して, さらにはミカンハダニに対しても有効であることが明らかになった.