1979 年 4 巻 4 号 p. 487-495
NK-049の光による分解性とその光増感作用を検討した. 14C-NK-049 (カルボニル・ラベル) は太陽光線ならびに紫外線照射によって速やかに分解し, tlc上で16種類以上の分解物が検出されたがその内の10種類が同定された. これらの分解物は3位または3′位のメチル基の酸化, 4-メトキシ基の脱メチル化, カルボニル基の還元とその切断反応によって生じたものであるが, いずれもごく少量しか生成されなかった. 水溶液中の14C-NK-049を紫外線照射した場合顕著な炭酸ガスの生成が認められ, カルボニル位での切断が主な光分解反応と考えられた. NK-049はドリン剤の光分解に対しベンゾフェノンと同程度の光増感作用を持っており, ディルドリンの光分解物は分子内で架橋されたフォトディルドリンと同定された.