日本臨床麻酔学会誌
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〔日本臨床モニター学会〕第24回日本臨床モニター学会 安全セミナ
内視鏡鎮静下におけるMonitored Anesthesia Careの問題点─今内視鏡室が危ない─
鈴木 利保
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2014 年 34 巻 1 号 p. 151-160

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抄録

  近年内視鏡の技術革新により内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に代表される手術は内視鏡室で行われる機会が増加している.ESDは,手術時間が長くなる傾向があり,患者の鎮痛,鎮静は不可欠である.しかし鎮静薬による呼吸抑制,低酸素血症,呼吸停止などの有害事象の報告が散見される.内視鏡室におけるMonitored Anesthesia Care(MAC)の担当医は麻酔科医ではなく,多くは術者以外のスタッフが兼務しており,患者急変時の対応にも精通していない.とりわけ呼吸抑制の早期発見は不可欠である.今後MACにかかわる医師は,鎮静薬や鎮痛薬の薬理学的知識を持ち,鎮静・麻酔レベルの生理学的反応を的確に判断し,麻酔や救急処置に精通する必要がある.また内視鏡鎮静患者の呼吸管理にはSpO2に加えて呼吸数の連続的モニタが可能なRRaTMを使用することで換気,酸素化の両面から呼吸管理を行う必要がある.

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© 2014 日本臨床麻酔学会
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