【目的】発達性読み書き障害 (developmental dyslexia ; DD) の背景病態の一つである大細胞系機能障害を明らかにする. 【方法】7~16歳のDD児と定型発達 (typical development ; TD) 児各々19名に対し, 低空間周波数・低コントラストのサイン様白黒縦縞模様を高反転頻度で視覚提示し, 視覚誘発電位 (VEP) を記録し, 読字能力との関連を検討した. 【結果】①DD児群VEPはTD児群と比較してcomplex demodulation法によるピーク振幅が有意に低下した. ②構造方程式モデリングによりピーク振幅は線画呼称課題の成績に関連すること, 線画呼称が良好であるほど音読が向上することが見出された. 【結論】DDの病態理解に大細胞系賦活VEPは有用と考えられる.