視神経脊髄炎(NMO)は,抗アクアポリン4(AQP4)抗体との関連が見出されて以来,多発性硬化症との病態の違いが明らかとなった.これにより,新たに臨床疫学調査が実施され,我が国のNMO関連患者数は約4400名と推計された.抗AQP4抗体陰性NMOの中にmyelin-oligodendrocyte glycoprotein(MOG)に対する抗体陽性例が存在することが報告され,この患者群は視神経炎の頻度が高く,治療反応性が良いことが特徴である.また,近年の研究成果により,NMOに対する新たな治療法が試みられており,抗IL-6療法や抗補体療法など他疾患に臨床応用されている治療法を用いた難治性NMOに対する治療が始まっている.