日本草地学会誌
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研究報告
九州北部における矮性ネピアグラス(Pennisetum purpureum Schum.)の多年利用,収量性と飼料品質を考慮した刈取り管理法の開発
深川 聡小笠原 俊介石井 康之
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 61 巻 2 号 p. 59-66

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抄録

ネピアグラスの矮性晩期出穂型(DL)品種(矮性ネピアグラス)の九州北部地域における高品質な粗飼料生産は,刈取り管理法と関係する。そこで,DLを安定的に利用するため,造成から4か年間の収量性および越冬性に及ぼす最終刈取り時期の影響を調査するとともに,栄養収量が最大であり,良質なロールベールサイレージの調製を可能とする刈取り適期を明らかにする評価法について検討した(試験1)。秋の最終刈取り時期を11月中下旬とすることで,DLは造成から4年間において90%以上の高い越冬率を維持した。DLの収量性および飼料品質を高く維持し,かつ良好なサイレージ調製が可能な刈取り適期は草丈150cm程度であった。離島地域2地点を含む生産現場4地点におけるDLの適応性について評価した結果(試験2),DLは生産現場でも高い越冬性を示した。

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© 2015 日本草地学会
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