宮城県岩沼市の津波被災海岸林の残存樹木の生育状況について,UAVによる高解像度画像および現地調査にて3つの調査ラインで実態把握した。マツ類は樹冠形状による画像上の樹冠テクスチャーの差異により種判別が可能であったものの,広葉樹の種判別はいずれも類似した樹冠テクスチャーであり困難であった。植生分布については,海岸側より 1) ニセアカシア- 2) クロマツ- 3) アカマツ- 4) ヤマザクラ・アカマツ混交林もしくは 4) 湿性草原の漸層的な分布を示していた。また,当地区では海岸から約 280 m からクロマツの残存木が急激に多くなることが示され,これは浜堤による微地形が影響していると推察された。一方,海岸林の後方部ではクロマツとアカマツの生態特性ではなく,人為的な植栽管理がその分布に強く関与していた。