論文ID: 15G0801
本研究では、大学実験室を火源とする大学の理工系構成員の火災に対するリスク認知および防火設備に対する知識を明らかにするために、横浜国立大学の化学系および機械系構成員に対して質問紙調査を実施した。また、それらの専門性による違いを統計学的に検討した。その結果、機械系構成員よりも化学系構成員の方が有意に大学実験室火災をより怖ろしく、かつ火災規模をより大きく評価していることが分かった。また、回答者の居室近くにある非常階段の設置場所については、化学系および機械系構成員ともに多くの人が知っていたが、消火器および屋内消火栓の設置場所に関しては、両構成員ともに把握出来ていた者の割合は半数前後に留まることが分かった。