2013 年 84 巻 1 号 p. 77-80
近赤外分光分析法による非破壊的な鶏卵中のコレステロール測定法を検討した.酵素法を使って測定した卵黄中のコレステロール分析値と,近赤外分光分析装置を用いて得た可視光線領域から近赤外領域(400∼1100 nm)の近赤外スペクトルデータの1次微分の値を使いPLS(Partial least square)回帰分析法で検量線を作成し,クロスバリデーション法で推定を行った.卵黄100 gあたりのコレステロール含有量(mg/100 g卵黄)および鶏卵1個あたりのコレステロール量(mg/鶏卵)ともに近赤外分析法における精度の指標となるRPD(Ratio of standard deviation of reference data in prediction sample set to standard error of prediction)値が3.0を上回り,非破壊的に鶏卵に含まれるコレステロールが高精度スクリーニングレベルで推定可能であることがわかった.