2014 年 85 巻 2 号 p. 145-152
パイナップル果汁への浸漬時間が日本短角種牛肉の理化学特性に及ぼす影響について検討を行った.日本短角種去勢牛の内転筋をパイナップル果汁に0,6,12,18,24,および30時間浸漬させ,ドリップロス,クッキングロス,トータルロス,L*値,a*値,およびb*値を測定し,またテクスチャープロファイル分析を行った.サンプル表面において,最大荷重およびガム性荷重は浸漬12時間後に有意に低下したが,凝集性は浸漬18時間後に有意に低下した.クッキングロスおよびトータルロスは浸漬6時間後に有意に増加した.加熱前のサンプルのa*値およびb*値は浸漬6時間後に有意に低下したが,加熱後のサンプルのL*値およびa*値は浸漬による有意な影響を受けなかった.