日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
地域医療型共同薬物治療管理 (CDTM) 導入の試み
─疑義照会の事後報告導入がジェネリック医薬品使用率及び医療費に及ぼす影響
小川 壮寛松下 明中島 利裕守安 洋子島田 憲一江川 孝五味田 裕髙橋 正志髙見 陽一郎
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2013 年 36 巻 4 号 p. 302-307

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抄録

目的 : 共同薬物治療管理 (CDTM) を地域医療に導入するための方略の一つとして, 事前に処方医と事後報告を行うポジティブリストを作成し, 疑義照会を事後報告へ切り替えることによる効果を検証した.
方法 : 事後報告に替えることのできる疑義照会をリソルブ疑義と定義した上で, ポジティブリストに基づく事後報告への切り替えを行い, その効果をリソルブ疑義の件数, 保険点数およびジェネリック医薬品使用率の変化を調査することにより評価した.
結果 : 医師の治療計画を変更することなく, ポジティブリストにより178件 (疑義照会全体の22.7%) の疑義照会を事後報告に替えることができ, 疑義照会にかかる時間を大幅に短縮することができた. これにより保険点数は17,455点削減でき, ジェネリック医薬品使用率は46.6%まで上昇した.
結論 : ポジティブリストに基づく薬剤師自身の判断で疑義照会を事後報告に切り替えることにより, 疑義照会実施件数および医療費削減とジェネリック医薬品使用率上昇を可能とした.

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© 2013 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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