日本冠疾患学会雑誌
Online ISSN : 2187-1949
Print ISSN : 1341-7703
ISSN-L : 1341-7703
原著
低心機能・冠動脈疾患に対する単独冠動脈バイパス手術
楠原 隆義李 洋伸髙本 眞一大野 貴之
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 20 巻 1 号 p. 37-41

詳細
抄録

【背景】当院でのCABG成績を示すとともに低心機能患者に対する安全な冠動脈バイパス術について考察した.【対象・方法】2011年から2013年の間に単独CABGを施行した連続191例のうちLVEF ≤35%の低心機能群26例を対象とし,コントロール群(LVEF >35%)165例と比較した.【結果】オフポンプ率は77% vs 98%(P値 <0.001),手術室抜管率54% vs 73%(P値0.04)であった.病院死は低心機能群1例,コントロール群2例,脳梗塞はゼロであった.【考察】両群とも急性心筋梗塞の緊急症例を除いて病院死はなく,成績は良好であった.当院では低心機能患者に対してもオフポンプ手技,手術室抜管を原則としており,安全性の面から手術手技・周術期管理に工夫を加えている.【結語】低心機能に対するCABGは手術手技・管理に工夫が必要であるが,安全に施行可能である.

著者関連情報
© 2014 日本冠疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top