2012 年 41 巻 4 号 p. 185-187
症例は84歳女性.4年前に大動脈弁閉鎖不全症および右冠動脈瘤に対し,ステントレス生体弁(Freestyle 23 mm)を用いて大動脈基部置換術と冠動脈バイパス(大動脈-大伏在静脈-右冠動脈)を施行された.今回,呼吸苦を主訴に来院し,経胸壁エコーにて大動脈弁閉鎖不全およびバルサルバ洞の解離と拡大を認めた.ステントレス弁を摘出し生体弁付き人工血管を用いてベントール手術を施行した.ステントレス生体弁は大動脈壁内膜に亀裂が入り,そこをエントリーとした解離性の瘤が認められた.