日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
心停止を契機に判明した冠動脈起始異常に対する1手術例
松枝 崇大住 真敬元木 達夫来島 敦史大谷 享史福村 好晃
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2012 年 41 巻 5 号 p. 257-261

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抄録

1970年台より冠動脈起始異常(Anomalous aortic origin of a coronary artery ; AAOCA)に伴う突然死は,特に若年者の競技者において報告されてきた.胸痛などの前駆症状がある場合もあるが突然死が初発症状となることもあり,また症例自体が稀であるため術前に診断され手術に至るケースは少ない.今回われわれは,58歳女性が心停止を契機に受診し,精査の結果右冠動脈が左Valsalva洞より起始し大動脈-肺動脈間を走行するAAOCAの診断を得た症例を経験した.術前の負荷試験などでは虚血や不整脈の誘発は認められなかったが,突然死の予防を目的として冠動脈バイパス術を施行した.術後の経過は良好で,現在胸部症状もなく外来通院中である.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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