日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
弁膜症術後の感染性心内膜炎発症2年後に生じた弁機能不全に対する1手術例
籠島 彰人高橋 昌一
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2013 年 42 巻 2 号 p. 163-167

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抄録

症例は56歳女性.大動脈弁置換術,僧帽弁輪形成術,そして三尖弁輪形成術を施行された2年後に脳出血のため入院となった.その加療中に感染性心内膜炎を発症したが,保存的加療により治癒された.しかし,その後僧帽弁狭窄が進行したため手術の方針となった.心エコーにて,僧帽弁輪に縫着されたリング周囲に僧帽弁に庇様に覆い被さるように異常組織が徐々に増生してきたことに加えて,増加傾向にある大動脈弁位人工弁の流速上昇を認めた.流速の上昇の原因は心エコーでは不明であったが,multidetector computed tomographyにより大動脈弁下に存在した異常組織と人工弁の開閉障害が判明した.これらの病変に対して,異常組織の切除と二弁置換術を施行した.

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