日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
送血管および心筋保護液注入針の挿入部から発生した胸部仮性大動脈瘤の3例
平田 雄一郎飛永 覚税所 宏幸和田 久美子大野 智和中村 英司細川 幸夫廣松 伸一明石 英俊田中 啓之
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2013 年 42 巻 4 号 p. 320-323

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抄録

心臓手術後の胸部仮性大動脈瘤は稀な合併症であるが,破裂した場合,予後は非常に不良である.真性大動脈瘤と同様に無症状で経過することが多いため,画像検査にて偶然発見されることが多い.今回われわれは先天性心疾患術後遠隔期に胸部仮性大動脈瘤と診断され,手術を施行した3例を経験した.いずれの症例も他科受診時に胸部レントゲン,胸部CT検査にて胸部仮性大動脈瘤を指摘され,当科にて待機的に上行大動脈人工血管置換術を行った.若年時に手術を施行された場合,合併症や併存症を有する症例は少なく,術後遠隔期において医療機関を受診されないことが少なくない.若年時の心臓手術の既往がある症例においては術後仮性大動脈瘤の発生の可能性を念頭に置き検査を進めることが重要と思われた.

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