頭頸部癌
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その他臨床
舌切除・再建後の構音評価法
―タカラ法―
去川 俊二野口 忠秀宮崎 邦夫伊藤 弘人西野 宏草間 幹夫菅原 康志川田 和己
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キーワード: 舌切除, 再建, 構音評価
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2013 年 39 巻 3 号 p. 374-378

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抄録

目的:日本語を母国語とする舌切除後再建患者における,容易で客観的な構音評価法を考案する。方法:可動部舌が1/3~2/3切除され,再建術を施行された10例を対象とし,下記の構音サンプルを採取した:(1)文章,(2)10までの数字,(3)カ,サ,タ,ラ,ガ,パ行の各5音ずつの単音,(4)タ,カ,タカのそれぞれ5秒間の連続構音。また,これらの内(1)~(3)を本診療に関係しない5人がvisual analogue scale (VAS)で評価した。結果:5人のVAS評価結果は,お互いに有意な相関を認めたため,この平均値を今回の基準値として用いることとした。上記,(3)と(4)を点数化し,基準値との相関を検討したところ,タ,カ,ラ行の合わせたものの相関が最も高くなった。考察:今回の基準値は,一般の人が聞いた印象をそのまま点数化したものであり,日常会話に近いものである。この日常会話を反映しやすい結果から,「タカラ法」を作成した。

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© 2013 日本頭頸部癌学会
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