2013 年 39 巻 4 号 p. 456-459
下咽頭喉頭頸部食道摘出術(以下,咽喉食摘)症例の治療成績を検討した。対象は1989~2011年に当科で咽喉食摘を行った192例。男性173例,女性19例,年齢は39~84歳,中央値63歳であった。5年生存率(粗/疾患特異的)の算出,転帰,術後合併症を検討した。全体の5年生存率は45/60%であった。転帰は生存95例,遠隔転移死31例,他因死30例,リンパ節死21例,原発巣死9例,合併症死6例であった。術後合併症は吻合部狭窄29例(15%),吻合部瘻孔5例,空腸壊死4例(2%),気管孔周囲感染4例であった。咽喉食摘症例における治療成績の向上は,技術の継承と確立によるチーム医療の成果である。