超低出生体重児に対して腹膜透析を行ったという報告はあるが,腹膜透析の導入基準や安全性は確立されていない。今回,超低出生体重児の循環不全による急性腎不全に対して腹膜透析を施行したので,当院NICUで施行した腹膜透析19症例(1,000 g未満10症例)とともに報告する。症例は,在胎28週2日,655 gで出生した双胎間輸血症候群の供血児である。日齢11より肺障害に対し長期にステロイドを使用していた。日齢31の抜管後に,左室壁肥厚と僧帽弁逆流(以下,MR)を認め,循環不全による急性腎不全をきたした。腹膜透析を4日間施行し,MRは一過性で改善したが,再抜管後にMR・循環不全による急性腎不全をきたした。腹膜透析を再度48日間施行し,ステロイド中止後に抜管した際には循環不全を起こさなかった。1,000 g未満の児であっても2,000~3,000 g前後の児と同様に腹膜透析が有効な治療手段となると考えられた。