日本農村医学会雑誌
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症例報告
疼痛緩和治療を先行後,化学療法を施行できた多発性骨転移を有する乳癌の1例
柴原 弘明小林 聡世古口 英深見 保之伊藤 哲大西 桜冨田 明宏白月 遼金森 明宮村 径久留宮 康浩西村 大作
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キーワード: 乳癌, 緩和ケア, 化学療法
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2013 年 62 巻 1 号 p. 26-30

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抄録

症例は56歳,女性。多発性骨転移がみられ,外科での乳房腫瘍針生検同一日に緩和ケア科を受診した。乳癌骨転移による疼痛が強く,オキシコドンの積極的な増量で疼痛緩和を図った。疼痛緩和を得た後に,緩和ケアと並行しEC療法とweekly PTX療法での化学療法を行なった。自験例では緩和ケア医と主治医とが密に連携を行ない,十分な鎮痛が得られた後に化学療法を行なうことが可能であった。がん治療を行なう主治医と症状緩和を行なう緩和ケア医が良好な信頼関係を築き,ともに患者中心の医療を行なうことが大切である。

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© 2013 一般社団法人 日本農村医学会
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