The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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原著
がん診療連携拠点病院からみるがんのリハビリテーションの課題
相良 亜木子川上 寿一中馬 孝容新里 修一道免 和久
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2012 年 49 巻 6 号 p. 313-320

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抄録

当院のがんのリハビリテーション(以下,リハ)の現状を調査し,今後の課題を検討した.【対象と方法】2008 年4 月から2010 年3 月にリハ科を初診したがん治療中の入院患者246 例について,原疾患,リハの対象となった障害,初診までの日数や入院日数等を調査した.【結果】リハの対象となった障害は,神経障害94 例と廃用症候群101 例が多かった.自宅退院139 例では,当科初診までの日数と入院日数の関連が示唆された(R=0.84).死亡退院90 例では,リハ実施期間は56.4±6.3 日もあり,死亡の7.6±1.2 日までリハを実施していた.【考察】当院では,がんの周術期から終末期まで,多様ながん患者へリハを提供していた.がんのリハの予防的・回復的・維持的・緩和的いずれにおいても幅広い役割を求められており,病院内での多職種連携やがんのリハを促すシステム作り,また地域と一体となった包括的取り組みが必要である.

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© 2012 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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