日本臨床外科学会雑誌
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症例
腋窩リンパ節転移再発後長期無再発生存中の上行結腸癌の1例
長谷川 聡杉政 奈津子窪田 徹原田 浩中山 崇池 秀之
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1946-1949

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抄録

症例は73歳の男性で2007年6月上行結腸癌のため結腸右半切除術を施行した.病理組織学的診断はpor,si(後腹膜),ly0,v0 n1(1/33),Stage IIIaであった.術後補助化学療法として5FU/l-LVを施行中,2007年10月左腋窩腫瘤を自覚した.胸部CTでは左腋窩に大きさ3.5cmの腫瘤が存在し,FDP-PETでも集積を認めた.針生検で転移性低分化腺癌と診断され,左腋窩リンパ節郭清を施行した.病理組織学検査では低分化腺癌を認め,上行結腸癌腋窩リンパ節転移と診断した.術後mFOLFOX6を6コース行ったが,手のしびれが出現しため終了したが,術後4年6カ月現在無再発生存中である.大腸癌からの腋窩リンパ節転移はまれである.上行結腸癌切除後孤立性左腋窩リンパ節転移に対して手術・化学療法後,長期無再発生存を得られた1例を経験したので文献的考察を加え報告した.

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© 2013 日本臨床外科学会
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