2013 年 74 巻 9 号 p. 2624-2629
会陰ヘルニアは直腸癌に対する腹会陰式直腸切断術や骨盤内蔵全摘後の稀な合併症である.今回われわれは,腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術後に発症した会陰ヘルニア,傍ストマヘルニア合併症例に対して,腹腔鏡下に修復を行った1例を経験したので報告する.症例は59歳,男性.直腸癌肛門浸潤の診断にて腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行した.術後傍ストマヘルニア,会陰ヘルニアを合併したため手術を施行した.傍ストマヘルニアに対して腹腔鏡下にパリテックスTMパラストーマルメッシュを使用し修復術を施行し,同時に会陰ヘルニアに対し腹腔鏡下でパリテックスTMコンポジットメッシュを用い修復術を施行した.術後経過良好であり,現在再発兆候を認めていない.