日本臨床外科学会雑誌
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症例
食道癌術後胸腔内吻合部縫合不全に対しHANAROSTENT®を用いた2例
山本 穰司佐々木 健永井 基樹牧野 治文藤川 幸一寺澤 無我
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キーワード: 食道癌, 縫合不全, HANAROSTENT®
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2013 年 74 巻 12 号 p. 3292-3296

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抄録

症例1は63歳,女性.中部食道癌根治手術・胸腔内胃管吻合後,誤嚥性肺炎に罹患.その後,吻合部縫合不全出現.保存的治療でも軽快せず,HANAROSTENT®留置した.症例2は68歳,男性.中部食道癌根治術・胸腔内胃管吻合後,ワーファリン内服後に胸腔内出血出現し,再手術.その後,縫合不全出現し,保存的治療に反応せず,HANAROSTENT®を留置した.
食道癌術後胸腔内吻合の縫合不全は,他の吻合法よりもその発生頻度は少ないと言われているものの,一度発症すると全身状態は悪化し,再手術などはリスクが高く,治療に難渋することが多い.このような状況で,抜去可能な自己拡張性金属ステントであるHANAROSTENT®を用い,劇的な効果が得られた2症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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