日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
Kirschner鋼線を用いた単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術
大内 晶浅野 昌彦青野 景也渡邊 哲也加藤 雄大
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2014 年 75 巻 4 号 p. 884-888

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抄録

単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下TANKO-LC)では1本の鉗子のみで術野を展開することは容易ではない.われわれはCuestaらが報告した術式をもとにKirschner鋼線(以下K-wire)を用いたTANKO-LCを行っている.
対象は急性胆嚢炎の兆候のない胆石症として,手術はE・Zアクセスと3本の5mmポートによるmulti-channel port法に加えて,右季肋部から刺入したK-wireで胆嚢を挙上して良好な視野を得ている.
2012年9月から2013年8月の間にK-wireを用いたTANKO-LCを10例に行い9例で手術を完遂した.1例で術中胆汁漏出を認めたが術後経過に問題はなかった.われわれのこれまでのreduced port surgeryと手術時間,出血量は同等で在院日数は短かった.本術式は術者の動きを妨げずに整容性も損なわない,安全で安価な手術手技である.

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© 2014 日本臨床外科学会
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