2012 年 62 巻 4 号 p. 299-314
医療技術の発達の一方で、 疾病をいかに予防するかが重要な課題となっている。 またガン、 糖尿病、 心筋梗塞、 脳梗塞、 脳溢血といった日本人の大半の死因につながる疾患は生活習慣が大きな因子として関わっており、 生活習慣を改めることによって発症を予防できる可能性が明らかになっている。
本セミナーでは生活習慣の中でも、 特に食に注目して講演を展開した。
まず食生活と疾患の関連性をカロリー制限とバランスの観点から、 次に栄養吸収に対する鍼灸治療の効果について、 最後に東洋医学的な食事の考え方と病気とのかかわりと病院食における食養生について講演を行った。
以上の講演をもとにディスカッションを行い、 食事と病気の関係、 鍼灸と栄養吸収の関係、 東洋医学的な食事の見方を考え直し、 鍼灸治療に食を応用するための有用な可能性が示唆された。