昭和55 年からライシメーターを利用した盛土実験斜面で植生の推移を調査している。実験開始から34 年を経過した平成25 年4 月19 日に第4 回目の詳細な植生調査を実施し,侵入した植生の生育状況を把握した。その結果,侵入植生で一番多かったのは,木本植物ではスギの280 本,次いでヒノキの67 本であった。草本植物ではイタドリの12 株,次いでススキの4 株であった。侵入植生は周辺から種子の形態で侵入してきており,試験地の植生は周辺植生の影響を大きく受けていることが判明した。試験地内ではスギやヒノキの成長に伴って内部の相対照度が20 %以下となってきていることから,今後,相対照度の低下が植生の推移にどのような影響を及ぼすかを注視する必要性が示唆された。