日本下肢救済・足病学会誌
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原著
重症虚血肢における自家末梢血単核球細胞移植治療奏功例の臨床像
西成 真琴青山 直善大谷 慎一金井 昭文加藤 伸太朗渡辺 昌文平田 光博和泉 徹
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2011 年 3 巻 3 号 p. 121-128

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抄録

【目的】重症下肢虚血(CLI: critical limb ischemia)の集約的治療において,自家末梢血単核球細胞移植による血管新生治療の位置づけを明確にするために,治療奏功(非大切断)群と治療非奏効(大切断)群に分類し,移植治療前の臨床像を2 群間において比較検討した.【方法】移植治療施行後6 カ月以上を経過した18 例を,大切断群(6 例)と非大切断群(12 例)に分類し,移植治療前の患者背景,血液検査所見,採取移植血液所見,血管造影所見および血流評価を比較検討した.【結果】大切断群は,経皮酸素分圧は低値で,炎症反応が高値であった.また採取移植血液のCD34 陽性細胞数および血小板数が低値であった.血流評価では,大切断群において有意に下腿3 分枝の複数に完全閉塞を認めた.【結論】感染管理と下腿3 分枝の複数に血行再建を行った上で移植治療を行うことにより,大切断を免れる可能性が高い.

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© 2011 日本下肢救済・足病学会
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