日本視能訓練士協会誌
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一般講演
視能訓練士教育の客観的臨床能力試験における医療面接評価表の妥当性
高﨑 裕子岡 真由美田淵 昭雄
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2012 年 41 巻 p. 235-241

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抄録

目的 川崎医療福祉大学感覚矯正学科視能矯正専攻で実施している客観的臨床能力試験(OSCE)の医療面接評価表について内容妥当性を検討した。
方法 材料は教員用(T)と模擬患者用(SP)の2種類の評価表で、2009年と2010年の医療面接OSCEにおいて60名の学生に使用した。両評価表は第一筆者がオリジナルに作成した。T評価表の主項目は病歴聴取の方法、主訴、解釈モデルの聴取、まとめと明確化、アイコンタクトなどの10項目で、結果は、よい2点、ふつう1点、わるい0点の3段階、またはよい1点、わるい0点の2段階で点数化した。SP評価表は共感的態度、会話内容の理解、話し易い雰囲気、清潔感(身だしなみ)などの8項目で、医療面接の態度を評価した。結果はT評価表と同様に点数化した。妥当性は、T評価表を因子分析とα係数で、SP評価表を項目特性曲線で検討した。
結果 1.T評価表では2つの因子が抽出され、第1の因子はコミュニケーション能力の領域、第2の因子は医療情報の聴取能力を示す領域であることが明白になった。T評価表10項目のα係数は0.858であった。2.SP評価表の項目特性曲線では共感的態度、話し易い雰囲気、清潔感が重複したが、これらの識別力は高かった。会話内容の理解は識別力が最も低かった。
結論 T評価表の内容妥当性が判明した。しかし、SP評価表はさらに他の観点からも評価できる項目を付加し改善する必要が示唆された。

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