2013 年 69 巻 4 号 p. I_231-I_241
資源活用の地域的取組みを持続的に推進するには,その舞台である地方自治体など行政が,関係者と連携して仕組みづくりをしていく必要がある.地域マネジメントにおいては,各地域で異なる状況を考慮し,関連政策を検討することが必要がある.本研究では,農業資源の域内流通を取り上げ,拠点整備の検討プロセスを支援するシステムを提案すること,を目的とする.具体的には,域内流通拠点である直売拠点を利用する生産者の出荷行動,および消費者の店舗選択行動を,空間情報を用いモデル化する.そして, 直売拠点の立地や条件が利用者に与える影響をシミュレーションによって定量的に把握する.シミュレーションの結果は,拠点利用者数だけではなく,地域の生産者,消費者の効用や,域内流通システムとしてのパフォーマンスの観点より評価を行う.