2013 年 69 巻 7 号 p. III_83-III_89
雑排水の再生と灌漑利用を想定し, (1)サヘル地域の水利用実態に沿った実験条件を設定し, (2)閉塞の緩和を目的とした粒度分布の広い土壌の性能を調べた. まずブルキナファソ農村部において水利用実態について聞き取り調査を行い, 水の用途, 水使用量, 排水先などを把握した. その結果をもとに傾斜土槽の雑排水処理実験を行った. 細かい粒径の土槽は3~4週間で閉塞が起こったのに対し, 細粒と粗粒の両方を含む土槽は8週間の実験期間中に閉塞は起こらなかった. いずれのケースもLASはほぼ同じように除去された. 閉塞が起こる前には, 土壌に浸透する経路と, 浸透せずに土槽表面を流れる経路の2つが観察され, このことが閉塞の緩和および土槽との接触時間の均一化に関与している可能性が示唆された.