2012 年 68 巻 3 号 p. 553-568
鋼上路式アーチ橋は,橋軸直角方向地震力が作用すると,アーチリブの横構への作用力が大きくなり横構の損傷が全体の耐力低下に影響する.そこで,横構が弱点とならないように,必要な横構伸び剛性について検討を行った.検討は,鉛直力による面外座屈に着目した「面外座屈アプローチ」と,アーチリブの降伏耐力に着目した「降伏耐力アプローチ」の2通りについて行い,横構の必要伸び剛性や設計断面力の簡易式を提案した.さらに,横構ガセット部が弱点とならないように,横構ガセットの必要板厚の簡易式も提案した.そして,試設計を行い,簡易式の有効性を確認するとともに設計フローを提案した.